ユトレヒトは、リートフェルトとミッフィーちゃんが産まれた街。デ・ステイルを象徴する建築作品で、1924年にヘリット・トーマス・リートフェルトが設計したシュレーダー邸を訪れました。モンドリアンの絵画を建築にしたような外観が緑の中に浮かび上がります。その視覚的な構成にばかり注目していましたが、実際にその空間に身を置き気付かされたのは、暮らしを豊かにするための工夫の数々でした。可動式の間仕切り、部屋の角を消す窓枠、浮遊する天井、視界を遮らない椅子などなど。豊かな発想から産まれたアイデアを、ミニマルなデザインに落とし込む手法が勉強になりました。ミッフィーちゃんの生みの親ディック・ブルーナも、リートフェルトをリスペクトしていて、シンプルなかたちと、原色の使い方に影響を受けたと語っているのを聞き、なんだか妙に合点がいきうれしくなりました。